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2013年 6月

 
まずはじめに知っておいて頂きたいのは、投球動作というものは肩や肘にとって非常に負担が大きいという事です。
 
ほんのわずかな短い時間の中で、静止していたボールに100km/h超えるようなスピードが出るまで力を伝えることになるわけですから。
当然と言えば当然かもしれません。
 
具体的には、ボールをリリースする瞬間に約950N(ニュートン)の引っ張る力が肩関節に作用すると言われています。
成人の前方関節包の強度は800~1200Nとされているので、投球する度にギリギリの力がかかっていることになります(少年であれば、尚のことです)。
 
ちなみに、1N(ニュートン)は、だいたい100gの物を持ったときの手に感じる力ですので、投球する度に約100kgの負荷がかかっていることになります。
 
この負荷に耐えるために、体は微妙なバランスで投球フォームを形成し、その負荷を分散させています。
これは、野球に限らず、ハンドボールやバレーボール、テニスなどボールを上から投げたり打ったりするスポーツに共通して言えることです。

 
ボールに与えるエネルギーは、投球動作の初期に下半身の筋力と体幹の回旋力から生み出され、肩甲骨を介して腕から指へ、そしてボールへと伝えられます。
 
肩や肘にかかる負担が最小限の状態で、速いボールを投げるためには、下半身から腰部を中心とした体幹、肩甲帯(肩甲骨の周囲)、腕、指先へと連続する効率の良いスムーズな運動連鎖が必要となります。
 
しかし、コンディショニングの不良や、オーバーユースによる疲労、スキル不足などによって、下半身や体幹などの機能が低下していると、その機能低下を補おうとするために肩・腕・肘などにストレスが増大し、障害発生につながります。
 
特に股関節や体幹、肩甲骨周囲に問題が生じることで、肩や肘に過剰な負荷がかかり障害が発生している場合が多いです。

 
・股関節周囲の筋肉が硬くなったり筋力の低下が起こると、股関節の安定性が低下し、軸足で上手く立てなくなり、バランスを崩したりフォームの始動が乱れたりします。
また、ステップ足への並進運動が乱れたり、体が開きやすくなります。この結果、運動連鎖が乱れ肩・肘に大きな負荷がかかることになります。

 
・体幹の筋肉が硬くなったり、筋力の低下が起こると、背中をきれいに反ることができなくなったり、身体をうまく回旋することができなくなったりして、やはりこの状態も肩・肘に大きな負担をかけます。

 
・肩甲骨周囲の筋肉が硬くなったり、筋力の低下が起こると、投球動作中に肩甲骨が適切な位置に動くことができなかったり、振り上げた腕を支えるだけの安定性がなくなってしまうために、これも肩・肘に大きな負担をかけます。

 
以上のような様々な負荷や微少な損傷の繰り返しによって、最終的には肩周囲や肘周囲の筋肉に過緊張や短縮、筋萎縮などが生じ機能障害が生じ、痛み始めます。
体が発達段階にある青少年ではこの反応が顕著です。

肩・肘に負担をかけないためには正しいフォームで投げる必要がありますが、正しいフォームで投げるには、まずは下半身及び体幹の筋力強化と柔軟性アップが必須です。
そして前後左右に偏りが無く、正しいバランスで立てているかという事も非常に大事になってきます(これは投手に限ったことでは無いのですが)。

以上のような障害を防ぐためにも、練習前のウォーミングアップやクールダウンなどのメンテナンス、筋力強化のトレーニング、柔軟性アップのためのストレッチなどのコンディショニング、投げすぎなどのオーバーユース防止などが、非常に重要になってきます。

 
そしてもし痛みが出てしまったら是非当院へご相談ください。
当院では痛みのある個所への局所的な治療ももちろんですが、身体全体のバランスを整える施術も取り入れておりますので、早めの回復と復帰をお約束いたします!
 
大坂整骨院
番場 要

大坂整骨院


宮城県仙台市泉区大沢
お怪我の際はお気軽にお越しください